今回はMIXで心がけることについてお話します。
MIXをしていると、どうしてもエフェクトを
色々いじってしまいがちになります。
自分で作りたい音が良く分からなくなって、
あちこちのパラメータをいじったり、
エフェクトを使い過ぎたりして、
あさっての方向へ行ってしまうことがあります。
MIXをする時には、次のことを心がけると良いです。
- シンプルな設定で良い音を作る。
- オケとボーカルを流して、どこをどうしたいか最初にまとめる。
- もともとの歌のニュアンスを活かす。
- MIXでは音量調節を一番大切にする。
- リードボーカルとオケだけで充分聴けるようにする。
- ディレイ・リバーブは一番最後にする。
シンプルな設定で良い音を作る。
MIXは魔法ではありません。
もともと魅力のある歌を、より魅力的にする方法です。
おおもとの音と歌が良ければ、
MIXではかなりシンプルなエフェクトと設定で、
充分歌を良くできます。
逆に最初から歌に魅力がなければ、
いくらMIXで魅力的にしようとしても、やっぱりダメです。
オートチューンのような音程修正のプラグインは、
良いテイクをより良くするために使うもので、
ダメなものをごまかすために使うわけではありません。
エフェクターを沢山入れても、パラメーターを沢山いじっても、
悪くはなっても、良くはなりません。
ごちゃごちゃになってしまったら、一端全部エフェクトを抜いて、
最初から見直してみた方が効果的です。
MIX全体の設定が、できるだけシンプルになるように心がけましょう。
オケとボーカルを流して、どこをどうしたいか最初にまとめる。
一番最初に音源を聴いた時の印象は大切です。
オケとボーカルを流してみて、
どこをどうしたいか最初にまとめることをオススメします。
「最初の入りが良いから、そこを活かしたい」とか
「Bメロが弱いから、少し前に出したい」とか
最初にまとめておくことで、その曲をどう聴かせたいのか、
自分の中でもまとまります。
また、途中で色々やり過ぎてしまった時に、
最初どうしたかったのか、振り返ることができます。
簡単でいいので、メモなんかを取っておくと良いでしょう。
もともとの歌のニュアンスを活かす。
MIXは、もともとの歌を活かすものです。
曲の中で、歌でここをこう表現したいというのが伝わってくる部分を、
より分かりやすく魅力的にすることが大切です。
歌でサビでの盛り上がりを意識して
Aメロを抑えて歌っているのが伝わってくるなら、
そのニュアンスを変えないようにしましょう。
おおもとのニュアンスを変えずに、
歌を聴く側には分かりやすく伝わるようにします。
もとの歌のニュアンスを殺してしまうようなMIXはNGです。
MIXでは音量調節を一番大切にする。
MIXで一番大切なのは、音量調節です。
音量調節がきちんとできていれば他はどうでもいい
と極論する人もいます。
それは極論ですが、
でもMIXでは音量調節が8割、後の効果が2割
くらいに考えて良いと思います。
そのくらい大切です。
音量調節は、コンプレッサーとエンベロープ書き(音量書き)でやりますが、
イコライザをいじると、音量感が変わるので、
そこも注意しましょう。
リードボーカルとオケだけで充分聴けるようにする。
歌ってみたのMIXでは、
リードボーカルから手をつけましょう。
リードボーカルとオケだけで、充分聴けるようにします。
その時に使うエフェクターは、
基本、コンプレッサーとイコライザだけです。
他のエフェクトは、リードボーカルとオケだけ流しても、
充分音源として聴ける状態にしてから使います。
ハモリパートなど、他のパートをMIXする時にも言える事ですが、
オケとその音一本だけを流しても、充分聴ける状態にします。
ハモリやコーラスは、ごまかすために使ってはいけません。
リードボーカル一本で聴いても良い音なら、
ハモリを付ければもっと良くなります。
ディレイ・リバーブは一番最後にする。
ディレイとリバーブのエフェクトは、一番最後につけます。
リードボーカル一本で聴いても良い音にするのと同じように、
ディレイ・リバーブなしで聴いても充分良い音に仕上げます。
そうすることで、最後にディレイ・リバーブをかけた時に、
音の良さが最大になります。
MIXでは、ディレイやリバーブは、
最後のちょっとした飾り付けみたいなものです。
もちろん特殊な楽曲では、極端なイコライジングや、
極端なリバーブを使ったりしますが、
それも、もともと通常の楽曲で良い音が作れる基礎があってこそです。
決して、ディレイやリバーブの効果に逃げないようにしましょう。
「あれ、そういえばディレイとリバーブまだかけてなかった。」
と忘れられるくらい、他のMIX部分で仕上げておくと良いですね。
まとめ
MIXは最初のうちはごちゃごちゃになりやすいので、
できるだけシンプルになるようにMIXしましょう。
ボーカル一本ずつが、
そのまま聞いても充分良い音になるようにしてから次へ進めば、
あまり迷うこともありません。
最後に全体のバランスを整えるようにします。
さて、今回は以上です。
次回は、MIXで良く使う他の幾つかのエフェクターについて、かんたんにお話します。
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