このページの先頭です
歌い手として活動したい人達の支援サイト。録音、動画、MIX、歌唱、機材などなど。
ホーム > 歌い手どっとねっと。 > MIX > 5.イコライジングのかんたんレシピ

5.イコライジングのかんたんレシピ

waku_eq.jpg

今回は、MIXのイコライジングを説明します。

 

 

 

歌ってみたカラオケMIXでは、

オケは既にあるので、

ボーカルへのイコライザだけ考えます。

 

 

 

イコライジングは、最初のうちは、

どんな音にしたいのか自分で上手くイメージできないと思います。

 

 

自分でMIXを繰り返していくうちに、

自分の中でイメージが出来上がってくるので、

色々試してみると良いです。

 

 

他の方のMIXをやってみるのも、凄く勉強になります。

 

より客観的になれるので、学ぶことが多いです。

 

 

 

 

 

ボーカルの色々な帯域と成分

mixer4.jpg

 

 

ボーカルの声質によって、やはり違いはありますが、

それでもこういうは大体このあたり、

というセオリーがあります。

 

 

 

  • 200hz

 

男っぽい感じのする声の帯域です。

女性ボーカルの場合、これ以下の帯域を削っても、

あまり大きな変化はありません。

 

 

 

低音の主張の強い男性ボーカルの場合、

きちんと残しておいた方が声の感じが生きます。

 

 

 

  • 800hz

 

ボーカルの芯の音がこのあたりにあります。

声量が大きい人は、歌の主張の強すぎる部分を抑えるために、

ここを少し削ります。

 

 

削り過ぎると、声に厚みがなくなってしまうので注意しましょう。

 

 

 

  • 1khz

 

音の中心点と言われています。

人の耳が一番敏感に感じとるのが、ここの音です。

 

ボーカルをくっきりさせたい時に、ここを少し持ち上げます。

 

 

 

  • 2khz

 

ボーカルのキラキラした感じがこのあたりにあります。

ボーカルのと言ってもいいでしょうか。

 

 

 

歌詞分かりやすさを調整するためにも使います。

歌詞聞き取りにくい時などは、ここをちょっとだけ持ち上げます。

 

 

 

  • 8khzより上

 

ボーカルの空気感(サラサラした感じ)がこのあたりにあります。

 

 

ボーカルの子音の音6k~10kあたりにあります。

透明感の強いボーカルを作る場合は、

これ以降は上げることが多いです。

 

 

 

 

 

ボーカルのイコライザ例

book.jpg

 

ボーカルのイコライザは、男女によって結構違います。

 

 

女性ボーカルの場合は、元々の状態でも良く聞こえるので、

あまりいじる必要はありません。

少し低音をけずって、抜けを良くすれば充分な場合は多いです。

 

 

例えばこんな感じです。

 

eq_girl.jpg

 

これはCubaseに付属しているStudioEQというイコライザです。

 

 

100hz以下を削って、10khz以上を少し持ち上げています。

 

6khzは歌詞の聞き取りやすさと、高音成分を増しています。

 

 

 

男性ボーカルの場合は、

イコライジングで声の印象が変わりやすいです。

 

 

基本的には、女性ボーカルとやることは同じなのですが、

オケの中埋もれがちになるので、

細かい調整が必要になることが多いです。

 

 

 

男性ボーカルの例を挙げておきましょう。

 

eq_boy.jpg

 

 

これは、空気感を強くする例です。

低音をかなりごっそり削っています。

 

 

200hzあたりから下を削っているので、

かなりボーカルがサラっとした、ソフトな感じになります。

(もちろんボーカルの質にもよりますが)

 

 

8khzより上で、空気感を強くしています。

 

800hzは、芯の主張の強すぎる部分を少し抑えています。

 

 

 

eq_lyrics.jpg

 

 

歌詞聞き取り難い場合は、

さらに2khzを少し持ち上げてあげます。

 

 

 

男性ボーカルは、

これでも聞き取り難い場合があります。

 

 

本来、男性ボーカルの場合は、

オケの方かぶってしまう帯域にある楽器を、

オケ作成の時に少し奥の方にします。

 

 

しかし、ボカロ曲はボカロが大体女性ボーカルです。

 

 

 

なので、カラオケMIXの場合は、

オケの方に少しイコライザをかけてあげます。

 

 

どのあたりが被っているのかは、

実際にオケと合わせてみないと分かりません。

 

 

オケボーカルを流しながら、

オケの帯域500hzから1khzくらいの間を、

狭く浅く探ります。

 

eq_oke.jpg

 

 

こんな感じに。

 

 

そして、ボーカルの聞こえが良くなる所を、

ほんの少しだけ(1~2dB)削ってあげます。

 

 

 

これで大体埋もれがちなボーカルに対処できます。

 

 

まだ埋もれるようなら、

別の所(コンプレッサーや音量書き)を見直してみましょう。

 

 

 

 

 

男女ボーカルの帯域の違い

tile.jpg

 

男女でボーカルの帯域には大きくがあります。

大体声の帯域はこんな感じです。

 

 

 

男性ボーカル

  • 低音部分 200hz~500hz
  • 中心部分 500hz~2khz
  • 高音部分 2kHzより上

 

 

■女性ボーカル

  • 低音部分 500hz~1khz
  • 中心部分 1khz~4khz
  • 高音部分 4khzより上

 

 

実際にこれらの部分をイコライザでいじると分かります。

 

 

 

 

イコライザでの音の探り方

serch.jpg

 

イコライジングをしていると、ボーカルの音を探ることが多いです。

 

実際の探り方を説明します。

 

 

 

ボーカルの、キンキンする聞いていて辛い部分を探す場合。

 

 

eq_confirm.jpg

 

 

こんな感じで、狭い帯域大きく持ち上げて、

これを左右にずらしながら、耳が痛い音の場所を探ります。

 

 

 

また、歌詞聞こえ方や、声の中心点を探る場合は。

 

eq_confirm2.jpg

 

 

逆に他の帯域を下げて探ると探しやすいです。

これも左右にずらして探ってください。

 

 

他の帯域をカットする機能が付いているイコライザもありますが、

このStudioEQにはついていないので、

ここでは手動で設定しています。

 

 

 

 

まとめ

pencil.jpg

 

 

イコライジングは、

 

  • オケの中で歌を聞きやすくするため
  • 声の印象を曲に合わせるため

 

に使います。

 

 

最初のうちは色々試行錯誤しながら、色々な帯域をいじってみてください。

 

そのうち、どう変化するか分かるようになります。

 

 

によって、ボーカルによって、

どう聞こえるのがいいのか

 

  • 気持ちよく聞かせたい
  • カッコよく聞かせたい
  • ソフトに聞かせたい
  • 爽やかに聞かせたい

 

を考えましょう。

 

 

イメージを持てるようになったら、後はイメージに近づけていきましょう。

 

 

 

 

さて、今回は以上です。

 

次回はディレイとリバーブのお話を少ししたいと思います。

 

 

>次回 かんたんなディレイとリバーブのかけ方

 

 

エンジニアが教えるミックス・テクニック99 (CD付き)

マスタリングの全知識 CDから配信まで(CD付き)

エンジニアが教えるボーカル・エフェクト・テクニック99 (CD付)

 


今回の記事はいかがでしたか? 良かったら共有してね!


関連記事



MIX   2013/12/04   WebMaster
タグ:DAW , MIX

▲このページのトップへ