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3.腹式が良いわけ・胸式が悪いわけ

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ボイトレの話には、必ずと言っていいほど、腹式呼吸胸式呼吸の話が出てきます。

 

ボイトレを先生から教わると、クラシック声楽の先生は必ず腹式をやりなさいと言います。

逆に、ポップスの先生は、腹式とか胸式とかあまり気にしなくて良いと言います。

(個人的な経験です)

 

実際にはどちらが良いのでしょうか?

 

答えは、「無駄な力が抜けていればどちらでも良い」です。

 

ただ、腹式は昔から使われてきた方法で、利点が幾つかあるので、使われているのではないでしょうか。

 

 

 

胸式呼吸ってつまりどういうこと?

 

胸式というのは、凄くざっくり言うと、

人が普通に話をしている時の呼吸

のことです。

 

普通なら、胸式呼吸をしている場合は、呼吸に合わせて胸が動いています。

胸で息をしているイメージです。

 

時々、腹式呼吸に対する話で、「お腹で息は出来ない」「声は喉から出るもの」というのがあります。

腹式呼吸は別に、お腹で息をしている訳ではありません。

また、胸式呼吸も、胸で息をしている訳ではありません。

これらは単にイメージです。

 

胸で息をしていると何がまずいのでしょうか?

実は、胸で息をしていると(イメージ)、上半身、特に肩と首に緊張で力が入りやすいのです。

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人前に出ると、緊張して、少し息が上がりますね。

息が上がる時は、大抵胸式呼吸になってしまっています。

 

肩と首に力が入っていると、当たり前ですが、喉が締め付けられて、声帯を抜ける空気の量が少なくなります。

すると声が出にくくなってしまいます。

 

これが、胸式呼吸がまずいと言われる理由です。

 

 

 

腹式呼吸ってつまりどういうこと?

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腹式呼吸というのは、凄くざっくり言うと、

人が寝ている時の呼吸

のことです。

 

大抵の人ならば、横になって力を抜いて呼吸すれば、腹式になります。

良く、腹式呼吸の練習で、お腹をふくらませたりへこませたりしますね。寝そべって寝ようとする時には、人は普通、お腹がふくらんだりへこんだりします。

 

つまり、寝ている時は腹式呼吸なのです。

 

腹式呼吸では、息をする時に胸は開きません。

 

腹式呼吸の大きなポイントは1つだけです。

お腹に息を吸いこむ、お腹から息を吐き出すイメージを持つことで、上半身をリラックスさせることです。

 

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他に、腹式呼吸をすることで横隔膜が下がり肺に入る空気の量が多くなるなどがありますが、とりあえず今は考える必要はありません。

 

上半身、特に肩と首がリラックスすると、喉に無駄な力が入らないので、声が出しやすくなります。

 

これが、腹式呼吸が良い理由です。

 

 

 

胸式は本当にダメなの?

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では、胸式は本当にダメなのでしょうか?

 

答えは、最初にも説明しましたが、最終的には胸式でも腹式でも「無駄な力が抜けていればOK」なのです。

 

無駄な力が抜けて、喉で無理に声を出す必要がない状態なら、別に胸で息をしてもお腹で息をしても良いと思います。

 

ただし、クラシック声楽を習ってきた人は、「絶対腹式じゃないとダメ」だという人が多いです。

このあたりはちょっと難しいのですが、ちょっと以下に、胸式のメリットと腹式のメリットを書いてみましょう。

 

胸式のメリット

  • 喉声を使って声に色々な工夫ができる
  • 美しく歌うより、カッコよく歌うのに適している
  • ブレス音を歌の一部に意図的に使える
  • ビブラートをある程度コントロールできる

 

腹式のメリット

  • 上半身から無駄な力を抜きやすい
  • お腹で支えることで、発声が安定する
  • 発声が安定すると、声量が上がる
  • 安定したエコーやビブラートが自然とかかる
  • 美しい声を出しやすい

 

 

実は胸式のメリットとは、「喉声」のメリットのことです。

クラシック声楽の人は喉声を使うことを許しません。

喉を痛めつけるような声の出し方は基本的にNGです。

 

ですが、ポップスには、わざと「張った」り、「がなった」り、歌声に「息を沢山混ぜた」りします。

カッコよく見せたい、というのはポップスでは当たり前のことなので、これらは大切な要素です。

 

ですから、私たちが歌う時は、両方の利点を活かして歌いましょう。

綺麗に聞かせたい時は、腹式を使い、カッコよく聞かせたい時は、胸式を使えばいいのではないでしょうか。

 

胸式が絶対ダメと言ってしまうと、やれることが少なくなってしまうと思います。

腹式、胸式の利点を活かして、上手く綺麗にカッコよく歌えるようになれば良いのではないでしょうか。

 

もちろん、喉を壊さないように注意しながら

 

 

 

本日はここまでです。お疲れさまでした。

 

次回は幾つか、発声練習の方法を説明したいと思います。

 

>次回 かんたんな発声練習をいくつか

 


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歌唱力向上   2014/11/24   WebMaster

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